【#1】恐怖症の話

 皆さんには怖いものがあるだろうか。

Wikipediaにある恐怖症の一覧ではおよそ226もの恐怖症が挙げられている。

ja.wikipedia.org

この中で言えば高所恐怖症(※1)や集合体恐怖症などは一般によく知られているかと思う。

(※1)厳密に言えば「単に高い場所が苦手なこと」とは異なる(こちらは正確には「高所恐怖」という。高い場所で本能的に危険を感じ怖がるのは、身を守るための正常な反応である)出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

 そこで今日は初めてブログを書くので私の恐怖症について話してみたい。

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限りなく広がる青い空

 この画像は私の地元の河川敷で撮ったものである。

限りなく広がる青い空、というには少々暗いが(既に日暮れが近かった)長く伸びる道路は実に開放的で黙々とランニングなどするにはピッタリなシチュエーションだろう。

 だが、私はこういう広い場所がとても怖い。

正直撮影している最中はずっと眩暈がしていたし、ちょっと気を抜けば吹き抜ける風に突き飛ばされていきそうだった。

一度転べばおそらく西部劇でよくみかけるタンブルウィード(回転草)となって行ったこともないアメリカのテキサスやオクラホマで砂嵐の中アウトローな主人公を迎え入れなければならなかっただろう。怖すぎる。

そもそも、こういう広い場所は非常に心許ないのだ。

開放的ということは普段目にしている壁や人、車、それらが周囲に全くないということであり、つまりそれだけ分防御面に不安が生じるということである。

例えば何らかのミサイルが何処かから私めがけて飛んできたとしよう。

部屋などにいれば物陰に隠れることができ、置かれている物によっては衝撃をやわらげられたりもすることも可能だろう。  

また、同じ外でも例えば公園や道路などには人や物が存在しており、そもそも狙いが逸れ易いのではないかと踏んでいる。撃つ方だって「チッ、これだけの人混みじゃあな…」と舌打ちしてるだろう。

だが、これが周囲に何もない広い場所だったらどうだろうか。

360度どこからでも狙える。むしろ自分から撃ってくれ、狙ってくれと懇願してるとさえ言えるだろう。自分からここに居た癖に「まさか撃たれるとは思わなかった」とはあまりにお粗末な弁明だ。広い場所はそれくらい恐ろしい場所だということである。

その上、広い場所に長時間居ると精神的にダメージを負う。

これは先ほどの心許ない感覚とも通じるが、始まりも終わりもない空を見ていると無性に不安に駆られるのだ。これは「合わせ鏡」を見てる感覚に近い。

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いつのまにか鏡の中の偽物が現実となり偽物となった自分がそれを覗いている……。

 

この何もない空間に感じていた一種の寂寞感はやがて終わりのない空と地面を飲み込み、地平線はどんどんと曖昧になる。真っ直ぐに続いていく道路は無限に先へ先へと延びてもう決してどこかへ辿り着くことはできない。いつしか空は圧迫感を増し、そこに存在していた私は押し潰され動けなる。それでも世界は蠢くのをやめない。全てが一体化され一つの球へとなって混ざり合うものたちは気づかない内に空を踏みしめ地面を仰ぐこととなる…………。

 

 ね、怖いでしょ?